【情報】平成27年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告

「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」は、モニター病院と公益財団法人 日本中毒情報センターからの情報をもとに、家庭用品などによる健康被害の情報を毎年とりまとめているもので、「皮膚障害」、「小児の誤飲事故」、「吸入事故等」に関する報告で構成されています。

家庭用品を主な原因とする皮膚障害は原因家庭用品との接触によって発生することがほとんどです。家庭用品を使用して、接触部位にかゆみ湿疹などの症状が出た場合には、原因と考えられる家庭用品の使用は極力避け症状が改善しない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

平成27年度版が平成28年12月26日に公表されましたので、皮膚障害の主な報告事例についてご紹介します。


皮膚障害

1)  1年3か月前にピアスを付ける。8か月前から、両耳が赤く痒い。ネックレスを付けると頚部が赤く痒い。腕時計を付けると左上肢が赤く痒い。

装飾品;19歳 女性)(本文p.8, 事例1)

→  金属で既往がある場合は、他の金属製品にも注意しましょう。


2)  時計バンドを革から金属製に変えた。10日後から接触部に痒み、紅斑、漿液性丘疹が見られた。 (時計バンド(金属); 28 歳 男性 ) (本文p.10, 事例7)

→  症状が発現した場合には、 原因と思われる製品の使用を中止し、 別の素材を使用するように心がけましょう 。


3)  8年前から手湿疹が見られ、1年前より調理の仕事で増悪し、5か月前から痒みが強く受診。手指、手背の角化、苔癖化亀裂。ゴム手袋を使用している。 (ゴム手袋;27歳 女性)(本文p.12, 事例2)

→  手袋が体質に合わない場合は、別の素材を使用するように心がけましょう。


4)  5年前から、サーフィンを始め、全身のウェットスーツを着ると痒みのある粟粒大紅色丘疹が多発するようになった。下半身用のウェットスーツは材質が異なるため、 生じるのは上半身のみであり,かつウ ェ ットスーツに触れないビキニの水着部分には発症しない。 ( スポーツ用品 ;45歳 女性) (本文p.15, 事例9)

→  スポーツ用品に使用されている材質が原因となる場合もあり、 体質に合わない場合は他の製品を使用 しましょう。


 5)  7年前から、顔面、頚部、両前腕、大腿内側に瘙痒性紅斑が見られ、若干、浮腫が生じており、2週間前より再発した。 (工芸用レジン(接着剤);34 歳 女性 ) (本文p.16, 事例12)

→  レジンに直接触れることを避け、成分の揮発などにより顔などにも症状が見られることがあるので、よく換気しましょう。また、レジンは歯科材料でも使用されていることがあるので、症状が出たことがある場合は歯科治療の際に歯科医に伝えましょう。


 6)  数年前から、背部に掻痒感が見られ、受診1年前から、顔、頭皮、頚部に掻痒があり、6か月前から、大腿部に皮疹が見られる。 (冷却マット;37 歳 女性 ) (本文p.16, 事例13)

   →  症状が発現した場合には、 原因と思われる製品の使用を中止し、早期に医療機関を受診 しましょう。

参照:公益財団法人日本中毒情報センター


先週、直木賞と芥川賞の受賞作をネットで知り、その場でKindle購入。
金曜の夜、恩田陸さんの『蜂蜜と遠来』をひらき、もうちょっと、もうちょっと・・・と気づくと朝の4時。
津軽三味線がかかれている行があり、愛する津軽にゆかりのあるものから、さらに深く、本の中へもぐりこめた一冊でした(下の画像をクリックすると幻冬舎へジャンプします)。

↓↓一日で雪は積もる
傘は雨だけでなく、雪の日もさす。雪国の常識です。(ES)

特定非営利活動法人あおもり皮膚科医療支援機構

青森県民の健康増進へ寄与するために、皮膚科医療分野で活動しています。 主な活動は、医学生向けのセミナー開催、患者会の支援、医療従事者のスキルアップ講演会などの企画、運営やサポートを行っています。